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こんにちは、椿です。
転職して1年目の記事を書こうと、途中まで下書きもしていましたが…。
気がつけば3年が経ってしまいました。
久しぶりにその下書きを開いてみると、正直なところ、あまり内容がありません。
でも、3年経った今だからこそ思うこともあります。
結論から言うと、転職して本当に良かったです。
そして、もし後悔があるとすれば、もっと早く医局を辞めれば良かったということくらいです。
転職して、一番変わったこと
前職を辞めて転職したことで、働き方はかなり変わりました。
土日祝は休みです。
当直もオンコールもありません。
残業もほとんどありません。
前職では、疲れていても、
「症例の準備が足りない」
「同期の〇〇先生は当直明けでも先輩の手伝いに来て勉強してたよ」
と言われるような生活でした。
医者は一生勉強で、勉強不足は患者さんの命を脅かすことにつながり得る。
それはもちろん頭では分かっています。
でも、常に睡眠不足だった受験生時代のような感覚で、毎日疲弊していました。
それに比べると、転職後は驚くほど穏やかでした。
給料だけを見ると、転職前よりも若干減りましたが、拘束時間がまったく違います。
そう考えると、時給ベースではむしろ上がっています。
そして、個人的にかなり大きかったのが、他の医師の勤務上のしわ寄せを背負わなくてよくなったことです。
前職では、自分が疲弊していても他人の分までカバーしなければならないことが非常に多かったですが、
転職してからは、そういうことが全くなくなりました。
転職1年目は、暇すぎて戸惑いました
転職して1年目は、病棟業務だけを担当していました。
慢性期病棟だったということもあって、基本的には毎日穏やかです。
というか、穏やか過ぎるほどで、
「……私、今日何をしたらいいんだろう?」
と思ってしまっていました。
でも今振り返ると、もったいない時間の使い方をしていたと思います。
もっと勉強すればよかった。
もっと患者さんと話せばよかったです。
カルテを最初から読み直して、一人ひとりの患者さんについてもっと知ればよかったと思います。
当時は「暇だな」と思っていた時間が、実はかなり贅沢な時間だったのだと思います。
慢性期の患者さんのカルテは膨大で、何十年分も記録が残っている方もいます。
医師記録はミミズが這ったような字で、ドイツ語もたくさん混じっていて読めないこともありますが(笑)、
一方で、看護師さんをはじめコメディカルの皆さんが残してくれた記録は比較的読みやすいです。
カルテを全部読むのは難しくても、看護記録や生活歴、現病歴を追っていくと、その患者さんがどんな人生を歩んできたのかが少しずつ見えてきます。
今は穏やかに過ごしている患者さんが、昔はかなり病状が悪く、派手な時期があった。
今の患者さん本人からは想像できないような発言や行動をしていた。
そんな「今まで知らなかった一面」を知ることもあります。
勤務歴の長い先生や看護師さんに、「この患者さん、若い頃はこうだったんですよ」と教えてもらうこともあります。
そうやって患者さんの人生を知っていくと、カルテを読むというより、一人の人の人生史という大作を読んでいるような感覚になります。
病気だけを見るのではなく、その人がどんな人生を生きてきたのかを知る。
今だったら、もっと患者さんと世間話をしておけばよかったと思います。
病気の話だけではなく、昔の仕事のこと、家族のこと、好きだったこと。
そういう何気ない会話から、その人のことを知ることができます。
そこが精神科の面白さでもあります。
看護師さんやコメディカルとも、もっと話せばよかったです
転職して感じたのは、大病院にいた頃よりも、看護師さんやコメディカルとの距離が近いことでした。
仕事で困っている時は助け舟を出してくれますし、休憩時間に世間話をすることもあります。
医師だけで仕事が完結するわけではありません。
いろいろな職種の人と話すことで、患者さんについても多くのことを知ることができたはずです。
働き始めの頃からもっと積極的に話しておけばよかったと思っています。
人間関係は「良くも悪くも個」という感じです
人間関係については、職場によってかなり違うと思うので一概には言えません。
私の転職先は、良くも悪くも「個」という感じでした。
医局の先生方の連絡先は知りません。
でも、このくらいの距離感が逆にちょうどいいのかもしれないと思っています。
仕事は仕事。
プライベートはプライベート。
必要以上に干渉しません。
最近は医局のグループラインを作っているところもあるようですが、私にはちょっとプレッシャーに感じてしまいます。
専門医は取れなくなりました。でも、今のところ困っていません
医局を辞めたことで、専門医を取る道はなくなりました。
これは転職する際に、ちょっとだけ悩んだところでもあります。
でも、3年経った現在、仕事の面でも金銭面でも、今のところまったく困っていません。
転職したことで差別されたと感じたこともありません。
専門医を取らないことによって、自分が何を失うのか。
そして、その代わりに何を得られるのか。
そこを自分自身で考えて決めればいいのだと思います。
転職して一番大きかったのは「自分で環境を変えられる」と分かったことです
転職活動そのものは、決して楽ではありませんでした。
引き留めに遭い、退職が決まるまでに複数回面談をすることになったので大変でした。
それでも、最終的には自分で決めて、自分で動いて、自分の力で環境を変えました。
これは、その後の自分にとってかなり大きな経験になりました。
「環境は、自分で変えられるんだ」
という自信がつきました。
そして、仕事が少し落ち着いたことで、将来のことを考える時間もできました。
これからどう生きていきたいのか。
何をして稼いでいきたいのか。
以前は、毎日の仕事をこなすだけで精一杯でした。
転職して、自分の人生について考える余白ができました。
その結果、こうしてブログを始めることもできました。
文章にしてみると、自分が何を考えているのかが整理されます。
頭の中にあったものを文章にすることで、すっきりすることもあります。
3年経った今、転職1年目の自分に言いたいこと
もし転職1年目の自分に何か言えるとしたら、
「暇だと思ってないで、もっと患者さんと話しなさい!」
と言いたいです。
せっかく時間があったのだから、もっと患者さんの人生を知ればよかったです。
もっと看護師さんやコメディカルと話せばよかったです。
そしてもう一つ。
「そんなに心配しなくても大丈夫」とも言いたいです。
医局を辞めたらどうなるのか。
専門医を取れなくて大丈夫なのか。
転職して本当にやっていけるのか。
当時はいろいろ考えました。
でも、3年経った今、後悔はありません。
転職は、単に職場を変えることではありませんでした。
自分の時間を取り戻して、自分の人生について考えるきっかけになりました。
そして何より、「自分で人生を変えることができる」という経験ができました。
あのとき勇気を出して環境を変えたことは、今でも間違っていなかったと思っています。



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