医局員時代は月に最低でも6回当直をしていましたが、そのうち2回は大学医局の関連病院での当直or日当直でした。
大学病院は急患が来ることもあるし、病棟患者の対応などでPHSが鳴るので寝当直の可能性は低いですが、寝当直と言われる病院では夜中にたたき起こされる数は少ないと言われています。
しかし、本当に寝られるのでしょうか?
寝当直を数多く経験した私が解説します。
寝当直とは?
寝当直は、夜中に起こされる回数が少ないかもしくはゼロの当直勤務のことです。
運が良ければ朝までノーコールで過ごせることもあります。
勤務先は精神科の病院、慢性期の患者さんがメインの病院が多いでしょう。
仕事内容は?
入院患者さんの診察依頼やお看取りなどです。
診察は、発熱、嘔吐、転倒、急変など内科的トラブルがメインです。
お看取りの際は、正確な時間をカルテや死亡診断書に記載しなければならないので、腕時計を必ず持参しましょう。
聴診器やペンライトは病院が貸し出してくれますが、念のため持って行っておくと安心です。
勤務先はどうやって探す?
医局員の場合
大学医局に属していれば、医局の関連病院に、医局から指定された日時に勤務します。
外勤先や勤務日を自分で選ぶことはできません。

ものすごく納得いかない点ではあるのですが、それは今回の話題からは逸れてしまうので割愛しますね。
医局に黙って大学以外の病院で外勤をしていたことがバレると、多分かなりまずいことになるので、医局に入っている間は我慢しましょう。
医局員でない場合
大学の医局ではなく民間病院で勤務医として勤務している場合は、外勤が可能かどうかを勤務先に確認してみましょう。
民間病院でも意外と外勤先が決められていて、自分で選べないことがあります。
「収入を増やしたければ当院の当直をしてください」と言われることもあります。
でも自分の職場で当直をするよりも外勤した方が実入りが良いです…
また、公立病院に勤務する医師は公務員扱いなので副業ができません。
バイト医・フリーランスの場合
バイト医やフリーランスの場合はどこで働くのも自由です。
転職サイトを使ったり、自分で直接医療機関に連絡を取ったりします。
転職サイトを使う場合は、「ゆったり勤務」「寝当直」などのワードで絞り込み検索をすると出てきやすいです。
しかし残念ながら、給料が良い案件は大学医局が医局員の外勤先としてキープしていることが多いです。
転職サイトに出てくる求人は時給1万円を下回るようなものばかりになってきました。
やたら給与が良い求人は、なんだかんだで忙しい勤務となる可能性があるので警戒しておきましょう。
楽なことばかりではない!
寝当直と言われていても、たまたま寝られない夜を引き当てることはあります。

私も夜から朝にかけて1時間おきに起こされ続けて大変だったことがありました。
急変があれば転院が必要になることもありますし、その場合は転院先を探すのも自分ひとりでやらないといけません。
また、慣れない場所で寝ないといけないので、熟睡はできません。
どこでも寝られるという人は別ですが。
たとえ一度も電話が鳴らなかったとしても、「いつ起こされるか分からない」というプレッシャーは睡眠の質を大きく落とします。
なかなか寝付けなかったり、何もないのに夜中に起きてしまったり。
たとえ寝当直という触れ込みだったとしても、何が起こるかは分かりません。
たくさん呼び出されて大変だった時は、休みを取ってゆっくり休んでください。
寝当直をやってみたいと思っている方は、一度経験してみて自分のライフスタイルに合うかどうかを判断されたら良いと思います。
追記
医師不足のため、宿日直の掛け持ちを検討している、と言う驚きのニュースが令和7年5月28日に出されました。
寝当直を収入源の1つとして考えている人、今現在寝当直をされている人にとっては、今後状況が大きく変わる可能性があります。
いや、医師として医業を行っている者(私も含め)全員にかかわる問題となるかもしれません。
今後の政府や厚労省の動向に注目したいですね。
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