【女医の生理×当直のリアル】血だらけのまま勤務した日の話と、医療現場の根本問題

キャリアと働き方

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注:ちょっとだけ生々しい話をしている箇所があるので、
苦手な方は読むのをお控えください。
それでは、本文に入ります。

生理と仕事が重なる日は、ただでさえしんどいですよね。

本当は体を温めて、少しでも休みたい。

でも、医療現場はそういう甘さを許してくれません。

私は麻酔科医局に所属していた頃、
生理の“多い日”と当直が重なり、緊急手術が続き、
シャワーも浴びられないまま翌日の勤務に突入した日
がありました。

生理中はいつも以上に清潔にしていたいのに、それすらできない。

あの日のつらさは、今思い出しても胸がざわつきます。

そしてこれは医療だけの問題ではなく、
“働く女性”に共通する構造的な負荷だと感じています。

この記事では、私の経験談と、それに対してどう対処したか
そして今同じ悩みを持つ方へのメッセージを綴っています。

辛い状況にある人が、そこから抜け出すためのきっかけになれば幸いです。


麻酔科当直は「自分のペースで働けない」

その日の当直は長時間の緊急手術が入り、

  • 長時間拘束
  • 自分のタイミングでトイレに行けない
  • 交代要員不足

という状況が深夜まで続きました。

麻酔中は、交代の医師が来ない限りその場を離れられません。

患者さんが安全に手術を受けられるよう、
麻酔医が常に状態を観察し、必要な処置を即座に行う体制が求められるためです。

“誰かに代わってもらえない働き方”は、本当に負荷が大きかったです。


生理の多い日と重なると、辛さは桁違いになります

普段なら2〜3時間おきにナプキン交換したいほどの量の日でしたが、
その日は全く時間が取れませんでした。

  • ナプキンを交換できない
  • 血の匂いが気になる
  • 生理痛が波のように襲う
  • 普段より疲れやすい

徐々に体の重さが増し、集中力も落ちていきました。

それでも手術は続きます。

最終的に、
ナプキンは限界ギリギリまで吸収していて、
シャワーも浴びられず、
血だらけのまま翌日も勤務しました。


その経験から、使うアイテムを変えました

この経験をきっかけに、私は
“当直やロングオの日は、ナプキンだけでは無理だ” と痛感しました。

それ以来、

  • 多い日用タンポン
  • シンクロフィット

などを併用するようになりました。

特にシンクロフィットは「交換できない時間が長くなりがちな人」に本当におすすめです。

ナプキンが限界まで吸ってしまう状況の“保険”になりました。


「手術が終わってからシャワー浴びればいいじゃん?」と言われるけれど

これ、働いたことのない人にはよく言われます。

でも現場の実態はまったく違います。

手術が終わるのは深夜、もしくは早朝。

翌朝には普通に“別の症例”が割り当てられています。

麻酔科医は薬剤の準備や機械チェックがあるため、
早朝にはその日の症例で使う薬剤や機械の準備を始めなければ間に合いません。

だから、
シャワーの時間すらないんです。

汗のにおいはもちろん、
経血のにおいが出ていないか気が気じゃなくて、
トイレのビデ洗浄でどうにかするしかありません。

でも、それにも限界があります。

若い女性が、
こんな働き方を強いられている現状ってどうなんでしょうか。

私はただただ「どうかしてる」と感じました。


生理の日に仕事を休めないのは、医療だけの問題ではありません

多くの女性に共通する悩み

生理の日に仕事を休めないのは、医療職だけではないと思います。

接客業、保育、介護、コールセンター、工場勤務など、
自分のタイミングでトイレに行けない仕事は世の中にたくさんあります。

体調が悪くても現場を離れられない、仕事量を自分で調整できない──。

そういう働き方をしている女性なら、
きっと少しでも「わかる」と感じてくださるのではと思います。


そして行き着いた“医療現場の根本問題”

この経験を通して私が感じたのは、
この働き方のしんどさは私個人の努力不足ではないということでした。

  • 人員不足
  • シフトに一切の余裕がない
  • 女性の身体特性を前提にしていない勤務体系
  • 体調より“仕事の継続”が優先される文化

これらが変わらない限り、
誰かが毎月、生理痛と貧血と倦怠感を抱えながら働き続ける構造は変わりません。

私はその現実に気づいて、
「この働き方を一生続けるのは無理だ」と思ったのです。


この働き方を続けたら、私自身が壊れると思いました

この経験ひとつが引き金ではありませんが、
私は心のどこかで気づいていました。

「私は、この働き方のままでは壊れる」

生理、当直、長時間拘束、緊急手術──
そうした“積み重なる我慢”が、確実に心身を削っていました。

生理がつらいのは体質。
でも それに配慮しない働き方は、構造の問題 です。

あなたが今の環境で苦しんでいるなら、
同じように「環境」を変えることも選択肢のひとつです。

逃げではなく、自分を守るための選択として。


今、同じ経験をして苦しんでいる方へ

もしあなたが今、生理の日でも無理をして働き続けているなら──
どうか自分を責めないでください。

あなたが悪いわけではありません。

そんな働き方を当たり前にしている環境で、
自分の健康や人生をすり減らす必要は、本当はないと思うのです。

働き方は変えていいんです。

自分を守るために動いていいんです。


転職という選択肢もあります

私は転職を通して、
「こんなにも心と体の余裕が生まれるんだ」と驚きました。

医療職でも働き方の幅は広がっています。

  • 当直なし
  • 17時退勤
  • 有給が取りやすい
  • 体調不良でも休みやすい

そんな職場も存在します。

転職サイトに登録するだけでも、“もっと楽に働ける場所がある”と知れるので、心が軽くなります。

環境を変える勇気は、
自分を守るために必要なスキルだと思っています。

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